2018年10月21日Metro Tokyo HC 東日本リーグ最終戦 vs東京ガス

Metro悲願のリーグ制覇!
全勝同士の最終戦「東京ダービー」を制し、初優勝。

2018年東日本リーグ最終節
◯Metro Tokyo HC 3-2(0-0、1-0、1-2、1-0)東京ガスホッケーチーム
2Q 18分 1-0 浅見太紀(徳島竜太)
3Q 34分 1-0 ※東京ガス
3Q 41分 2-1 竹村圭史(萩中克章)
3Q 43分 2-2 ※東京ガス
4Q 59分 3-2 松田崇史(山口広基)

ここまで互いに5戦全勝、得失点差でも並び、総得点で僅かに1点東京ガスが上回るという状況で迎えた最終節は、緊張、高揚、興奮落胆、熱狂、焦燥、歓喜、そして感動。ホッケーの、スポーツの魅力を凝縮したかのような一戦になりました。
メトロ20年の歴史に刻まれる大激戦の模様をお伝えします。

舞台となった駒沢オリンピック公園に集ったのは、ルーツもキャリアも仕事も全く異なる22名。繋ぐのは「ホッケーが好き」という純粋な想い。
試合前のミーティングでは、何度も「最後は気持ち」という言葉が繰り返される。緊張と高揚の中、決戦の幕が上がった。

1Q、いつもはエンジンがかかるのが遅いMetroながら、この日は開始早々から小比賀、岡田、井上のFW3人が果敢にプレスをかけ、高いインテンシティでペースを握る。
まずは3分、相手のクリアボールを拾ったDF宮坂がサークルトップのMF吉川に縦パスを通す。右手の骨折が完治していない中でも職人のような妙技で反則を誘いPCを獲得する。このPCをMF山口がリバースシュートで狙うもこれはミートせず。
12分には左サイドでDF徳島がボールを奪うと、FW松田、FW飯高とパスを繋ぎ、最後はエリア内のMF吉川がダイレクトでシュート。これは惜しくも枠を捉えられない。
守備では、ベテランの居島、主将の萩中、宮坂らが鋭い出足で相手にチャンスを作らせず、1Qは押し気味の展開で終える。

2Q開始早々に試合は動く。
18分、敵陣23m付近でDF徳島がボールを奪いショートカウンターが炸裂。サークル内の相手DF裏へ走り込んだFW浅見へ縦パスが通ると、GKの鼻先でボールを叩く。これがゴールに吸い込まれてMetroが先制に成功。応援団も含めて一気に興奮に包まれる。
ここから東京ガスも攻勢に出る。23分には左サイドから久しぶりのサークルインを許し、ゴール前に入れられるものの、ここはセンターバックの萩中が寸前でカットし危機を脱する。27分にはFW松田が右サイドからヒットでセンタリングを上げるも走り込んだFW岡田は一歩届かず。
そして28分、前半最大のピンチが訪れる。左サイドからのバックパスをカットされると、そのままサークルインされリバースシュートに持ち込まれる。しかし、ここで立ちはだかったのが今季リーグ戦無失点の守護神GK杉野。体を張った鬼気迫るセーブで得点を許さない。
2Qを1-0でリードして終える。

ここまで良い流れで迎えた3Qだったが、ハーフタイムで息を吹き返した東京ガスが反攻に出る。
31分、ワンツーで中央を崩され、サークル内にパスを出されるも、これはギリギリで徳島がインターセプト。
しかし34分、敵陣でのアウトレットから一瞬空いた中央にロングパスを通されてしまい、サークル内のFWに届くと、1対1でDFが振り切られ、ゴール正面からリバースシュートを叩き込まれる。
1-1の同点に追い付かれた。
更に38分には、サークル外ながら故意に足でボールを止めたとして、この試合初めてPCを許す。タッチを狙われるもここはなんとか萩中がカット。
嫌な流れ、広がりかけた落胆ムードをベンチの声、観客席からの声援がかき消す。
41分、右サイドから押し込むと、サークル手前でDF居島が反則を奪う。素早いリスタートでエンドライン際のMF鷲田にボールが繋がると、得意のドリブルでサークル内に切り込む。たまらず相手がファールを犯し、久しぶりのPCを獲得。萩中からのパスは、ゴール横でフリーになったFW竹村の元へ。完全に相手の裏を取ると、冷静にゴールに流し込んで再度勝ち越し、2-1。再びスタジアムに熱狂が広がる。
しかしこの空気も長くは続かない。今度は東京ガスが王者の意地を見せる。43分、自陣でのスクープミスからドリブルでサークルインされ、PCを与えてしまう。
最初のシュートは守備がブロックしたものの、こぼれ球を左サイドの角度がないところからリバースで打ち込まれる。これをファーサイドで綺麗に合わせられて痛恨の失点。2-2とすぐに追い付かれて3Qが終了。

迎えた最終4Qは明らかに焦燥感が漂う。
46分、49分と立て続けにDFのミスからピンチを招くが、ここは3Qから入ったGK斉藤が元日本代表の意地を見せて得点を許さない。53分にも低い位置でのボールロストからサークル侵入を許すと、やや厳しい判定ながらPCを取られる。しかし、PCからのコンビネーションプレーはDF宮坂が読み切ってストップした。

時間が気になる。引き分けなら相手が優勝となり、Metroにはどうしても勝ち越し点が必要な状況。
残り5分。Metroは最後の賭けに出る。
監督の片山はGK斉藤を下げ、FW岡田を投入するパワープレーを敢行。
直後、相手選手が遅延行為で1人退場になる追い風もあり、一気呵成に相手陣内へ攻め込むが、56分にはこれまでの激戦を物語るようにDF居島が足をつり、担架で運ばれる。

パワープレーを仕掛けながらも、先月の全日本社会人ホッケー大会での反省を活かし、縦一辺倒にならず、サイドから押し込んでいく。
そして、迎えた59分、
「最後は気持ち」
繰り返したその言葉が全員の背中を押し、待望の瞬間が訪れる。
左サイド、山口からの縦パスがサークル手前で相手DFを背負ったFW松田に通る。相手DFにうまく身体を預けながらサークルに侵入し、放った渾身のリバースシュートがGKを突き破りファーサイドのゴールネットに刺さる。
3-2。土壇場でMetroが勝ち越し点を奪うことに成功。

直後、再びGK斉藤をピッチに戻すと、東京ガスの死力を尽くした攻撃を全員一丸で封じ込める。とにかく永く感じる残り時間。
MF高橋が、DF菅原が死に物狂いでボールに食らい付く。最後はDF徳島が倒れ込みながらクリアしたボールが相手陣内を転々としたところでタイムアップ。

終了のホーンが場内に響き渡った瞬間、メンバー全員がピッチになだれ込み、輪が出来ていく。
「1」位を示す、突き立てた一本の指が誇らしく集う。
代表が、レジェンドが、監督が、そして主将が二度、三度と歓喜の胴上げで宙を舞う。
本当に本当に最高の感動でした。

東日本リーグ初優勝。
社会人リーグへの参加から18年、東日本リーグへの挑戦から12シーズン、そしてメトロ創設20年の節目の年に、新たな歴史の1ページが刻まれました。
チーム創設からこれまでバトンを繋いできた全ての選手に、また、チームを支え、応援してくださった皆さんにこの勝利を捧げたいと思います。

「ホッケーが好き」
この想いを胸に、
「メトロが大好き」
そんなメンバーを揃えながら、これからも一歩ずつ着実に階段を昇っていきます。
まずは11月24〜25日に岐阜で行われる社会人王座決定戦に東日本王者として臨むことになります。
引き続き熱い応援を宜しくお願いします。

駒沢オリンピック公園第一球技場(世田谷区)にて

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