7/22のドレスリハーサルから、8/6の決勝までの約2週間、ホッケー競技会場である大井ホッケー競技場(OHS)には多くのボランティアが大会の運営や競技の進行をサポートしています。メトロでは大会期間中のべ50人程度が競技ボランティアとしてOHSで大会をサポートしました。
フリークスの選手である杉野、徳島と駒沢HCのコーチである唐澤はボールパトロールのコントロールを担当。同じくフリークスのマーティンはオランダ出身ながらイギリスチームのリエゾン(試合会場で通訳や身の回りの世話をするスタッフ)を担当しました。
マーティンのパートナーでメトロmixでプレーするスザンヌは、優勝したオランダ女子チームのリエゾンを担当。彼女もオランダ出身なので母国優勝の瞬間をピッチで見られたのは一生の思い出でしょう。
また、BPでプレーするケビンは母国インドのリエゾンを担当。世界的なトップ選手であるインドのマンディープ選手らをメトロメンバーに紹介してくれるなど、フレンドリーなおもてなしを実践。そう遠くない将来メトロに世界を代表する選手が在籍するかもしれないと、海外チームを身近に感じた2週間でした。
他にもボールパトロールやフラッグ、補助記録など競技まわりのサポートを多くのメトロメンバーが経験しました。選手の息づかいが聞こえるピッチサイドでのボールパトロール、控室に戻ってくる選手を廊下で迎え入れるなど、緊張が絶えない仕事でしたが、時間が経つほどスゴイ経験をさせてもらったと感動します。
大井ホッケー競技場(品川区/大田区)にて
【東京2020オリンピックとは】
かくして、2013年に開催が決まった東京2020オリンピックは約8年の準備期間を経て、1年の延期~無観客開催という誰も予想できない形で幕を閉じました。
メトロは2014年の秋から東京におけるホッケーの普及活動をスタートし、特に開催地域である品川区、大田区の皆様、東京都ホッケー協会の皆様とは毎月ならぬ毎週のように各地でホッケー体験のお手伝いをさせていただきました。
五輪競技場で間近に見た急峻な山坂のような観客席は、誰も足を踏み入れることなく、公園の入口に設けられたゲートもまたその大きな口を開くことなく役割を終えました。
それでも五輪開催を決断してくれた多くの皆様に心より感謝いたします。
世界との差を痛感した日本代表チーム。その差はピッチの中での競技力だけではなく、「する」「みる」「支える」日本の全てのホッケーファミリーの総力の差であると実感しました。それは日本で五輪を開催したからこそ感じられたことです。
しながわホッケーファンゾーン企画の中心となる地域の方が立ち話で仰られたひと言が、我々にとって何よりも嬉しい労いの言葉でした。
「五輪は終わったけど、地域とホッケーの取組みはこれからがスタートだ。」
ホッケーやスポーツは地域や社会に目を向けることで、競技関係者だけの競技から、社会共創のパートナーとして飛躍するきっかけを今回の五輪は与えてくれたのだと感じています。地道な活動ですが、近道はなく、味方を増やしすそ野を拡げていくことが結果として競技力を高め、それを維持する唯一の方法です。
メトロは大井と駒沢という新旧2つの五輪競技場を有する地域を活動拠点とするクラブとして、ホッケーの発展だけでなく、東京2020オリンピックのインスピレーションを基盤に、地域と共生しホッケーという手段で社会に新たな価値を創造していきます。
数年後、そんな当たり前のことをメトロは言っていたのか、と言ってもらえるために、そんな想いをメトロのポスト2020のスローガンに掲げます。
Create New Ordinary. スポーツ×社会の新しい日常を創る。
日本ホッケーの次なるマイルストーンは2030年のホッケーW杯日本開催です。急峻な観客席を満員にしてコロナにリベンジしましょう。
多くの皆様これからもよろしくお願いいたします。
NPO法人メトロ東京ホッケー&アスリートクラブ
代表 多氣洋平